中国・龍泉市、青磁について。
浙江省の西南部、盆地地域、1990年12月26日(水)龍泉市(位置図)となる。人口26万人。交通、温州市より車で約7時間。列車は麗水迄。麗水から龍泉まで約130Kmで、空港は未建設。龍泉市の青磁については正確な生産年代はわからないが、出土物の中で西暦420年(南朝)には青磁が発見されている。初期は西暦420〜920年頃で、隆盛時は西暦1015年〜1315年。(北宋時代は49ヶ所で窯場137ヶ所、南宋時代には260ヶ所と増加する。)塗装については北宋時代では薄く、南宋時代になんると土が薄く、塗装が厚くなっている。元時代(西暦1280年〜1368年)には彫刻が繊細となり窯場も増加し、明朝時代(西暦1368年〜1644年)には彫刻、塗装の新たな技術が発展するが、清朝時代(西暦1644年〜1911年)になると生産が減少していく。
1)
AD(紀元後)420年〜919年、龍泉青磁の初期段階。
2)
AD(紀元後)982年、宋太宋から始め遺官、監理龍泉窯務、『官窯』になり首任監理官に「趙仁済」氏が就任する。
3)
西暦1015年〜1315年頃になると龍泉青磁の最盛期となり、国内はもとより海外にも大量に輸出するようになり、世界的に知れわたるようになる。1976に韓国の新安海域にて沈没船探索時に宋時代の陶器が1万余発見され、その中の半数以上が龍泉青磁であったとの報道は記憶に新しい。
4)
1635年、明朝時代の中期になると戦乱と、戦乱による政治腐敗、高課税、等により、龍泉青磁の存続が危ぶまれた時期もあった。
5)
1957年6月、第一国営『龍泉陶器工場』設立。7月、「周恩来」首相は龍泉青磁の生産回復の指示を出す。
6)
1959年10月、新生龍泉陶器、建国10周年にて生産出荷する。12月、龍泉青磁組合が設立される。当時、8人の青磁師匠。
7)
1966年〜1970年、国内の政治混乱の為に、青磁等の生産、研究が停止とる。(3ヶ月位)
8)
1971年、中米友好の為、米国大統領ニクソン氏に贈呈するため、生産を再開する。
9)
1973年、水力発電所、等の施設の整備が始まる。
10)
1975年、『龍泉青磁研究所』が設立される。
11)
1977年、生産が全面的に回復され、1979年にはフランス等の諸外国11ヶ国にて展示会を開催する。8月「ケ 小平」氏・「葉剣英」氏・「李先念」氏・等の政府要人が、「李懐徳」(リィ・カイトク)氏(師匠)と接見する。
12)
1980年、9月「徐朝興」大師『龍泉青磁研究所』所長となる。1988年迄。
13)
1982年、北京人民大会堂に展示する1.3mの花瓶の試作に取り組む。7月、「李懐徳」師匠、「徐朝興」大師、の両名による、52pの掛皿が現代国宝に認定される。
14)
1983年、フィリピン国際展示会に155件の龍泉青磁を展示する。
15)
1984年、香港陶芸展示会に出展する。6月、龍泉陶器工場の副工場長、技師、「劉章生」氏の両氏をはじめ、日本を訪問する。
16)
1985年、龍泉陶器工場、国営から民間管理となる。第4回アジア太平洋地区博覧会に出品する。(61pの掛皿)。9月、日本の陶芸家5人が龍泉を訪問する。(団長 中島氏)。
17)
1986年、4月、日本出光美術館代表団5人が龍泉訪問。団長は東大名誉教授、出光美術館長、京大教授、陶器専門家、陶器考古学者。龍泉青磁研究所設立。
18)
1988年、1月、中国政府、龍泉青磁を全国重要文化財の重点保護との発表。
5月、日本の百貨店「高島屋」・「松屋」の代表団が龍泉を訪問し、一般向き商品として龍泉青磁を購入する。11月、龍泉陶器工場の工場長、書記の2名が日本訪問。
19)
1989年、5月、アメリカのハワイにて龍泉青磁の展示会を開催する。
11月15日、日本陶芸家団、34名にて龍泉を訪問する。(団長は陶芸評論家の青木重雄氏)。
20)
1990年、龍泉、全国5大名釜の認定を受ける。同年、12月25日(水)龍泉市となる。
21)
1992年、経済開放政策の弊害にて、多数の龍泉重要古物の流失、管理混乱。工場の乱立、偽物も多数出回る。7月、浙江省陶器産業会議が龍泉市にて開催される。
22)
1996年12月、550名以上の陶芸職人組合、龍泉芸術陶器組合が倒産し、大きな波紋が生じる。
23)
1997年、中央政府から地方から、龍泉青磁保護に資金、対策に動く。
9月28日、「徐朝興」氏、中国工芸美術大師の認定を受け、政府要人、「李鵬」氏等と接見する。10月、龍泉青磁記念切手と龍泉窯、青磁、1組4枚付で発行販売する。
24)
1998年6月、龍泉工芸師、「毛正聰」氏、台湾へ学術交流に向かう。
8月、龍泉青磁管理委員会を設立。

追伸、 以上は龍泉市文化局、局長、江茎明様、青磁博物館、館長様、及び、徐朝興先生の御了承、御協力を得て記載させていただきました。有り難うございました。
※このページに記載されておりますデータの無断使用を禁止致します。

龍泉青磁博物館
青磁博物館
徐朝興先生
徐朝興先生

合掌
平成12年4月 記